CONCEPT/PROCESS コンセプト/プロセス
CONCEPT コンセプト
建築に対する考え方
当事務所は、デザインを通して日常を、楽しく・美しく・より豊かにすることをコンセプトに、建築を手がけています。
デザインで叶えられる可能性を信じ、クライアントの個性を盛り込んだ計画とする一方、変わらない原則的な空間の捉え方、建物と切っては切り離せない温熱環境・耐震性についてや、監理業務の方法まで、私達の建築設計に対する考え方をこちらで共有いたします。
TOPIC
空間の捉え方
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「シンプルであること」
「楽しいをつくりだすこと」「永く愛される空間であること」を考えるにあたり、「シンプルであること」が重要だと考えます。「シンプル」という言葉を辞書で引くと、「単純」「簡素な」「易しい」などの言葉がでてきますが、ここでいう「シンプル」とは、「構成が明快なこと」「ライフスタイルに合わせた普遍的な空間であること」「視覚化できる情報を単純化すること」です。
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「構成が明快なこと」
絵を描くときに、線の太さを変えメリハリをつけるように、空間のなかでも重要な芯となる部分に焦点を当て、構成していきます。複雑にコンセプトが絡み合った「ここからあれが見えてこう感じるからこうなると同時に…」ではなく、プロジェクトの敷地環境や、クライアントの要望から読み解き、明快なコンセプトを立ち上げ、計画を行います。
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「ライフスタイルに合わせた
普遍的な空間であること」永く愛される建物とは、一つの方法でしか成り立たないプランではなく、住み手・使い手に余白を残し、一緒に育っていける建物だと考えています。素材選定においても、経年による汚れや傷を、思い出とともに味と捉えていただけるように、自然素材を中心に選定をし、建物自体が主張しすぎることなく「時」と合わせて変化を楽しめることをベースに、空間づくりを心掛けています。
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「視覚化できる情報を
単純化すること」より具体的にいうと、揃えるところをきちんと揃えること。これは、色・素材・動線・家具・壁の線・窓の線など、視界に入るすべての事象です。もっというと、きちんと収納スペースをとり、”物を仕廻う(しまう)”ことも、メインの空間を生かすための”揃える”の一部です。この”揃える”ことにより、視覚情報が単純化され、空間の普遍的な美しさを導くことに繋がると考えています。
温熱環境の捉え方
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「断熱性能・採光・換気計画」
現在、度重なる法改正も助長し、温熱環境に対してきちんと向き合うことが義務化されているように、私たちも”本当に居心地の良いゆかたな空間”をつくることを目指しています。住宅においては、しっかりと断熱材を入れ、今では当たり前となったLOW-Eペアガラスを採用。断熱等級4を満たすことを最低基準とするだけでなく、夏に日射を遮る庇を設け、冬には大きな開口より日射を取り入れられるようにしたり、窓の設置高さによる重力換気を取り入れ、建物全体を自然風が通り抜けられるようにしたり、意匠と合わせて工夫をし、計画をすることを心掛けています。
一つ言えることは、今の時代に置いて、機械による温熱環境の整備は、建物と切っても切り離せない物になってきています。
だからこそ、機械が壊れたら住宅の性能を損なうような、機械に頼り切る設備計画ではなく、うまく取り入れながら共存できるように、配慮をしています。
建物の安全性の
捉え方
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「耐震計画」
建築は、”人々の生活を包み込む器”であると同時に、”生命を守る器”であることが求められており、「安全であること」がなによりも重要です。現在の建築基準法では、木造2階建て規模の住宅では確認申請における構造計算書の審査は不要となっておりますが、当事務所では、構造建築家と協同し、「全案件構造計算にて安全性を確かめること」を基本とし、不整形な土地や、崖地においても、安全性を確保しながら計画を行っています。耐震等級2・3に対するご要望も多くなってきました。ご要望に応じて証明書をとることも可能です。
監理業務:情報の「透明化」
当事務所では、設計だけではなく監理業務についても、納得のできる計画とするために、「透明化」をコンセプトに行っています。
「工務店の選定」
私たちは自社で工事を行わず、その地域で信頼できる工務店に工事を依頼し、建築物をつくります。そうすることで、ハウスメーカー・設計施工の会社とは異なり、自社の都合に合わせるのではなく、本当の意味での自由設計として、クライアントの要望に合わせて計画を練ることができるからです。
お見積もりについても、2~3社で競争の上相見積もりをとり、計画に対する適正価格を見極めながら、各社の見積を精査・比較をし、プロジェクトにおいて何が高くてどこが余分なのか明確に理解をしながら進められるため、コストパフォーマンスの高い建築とすることができます。
「工事中の監理」
コンクリートの配合計画・配筋の検査・木軸&金物・鉄骨のボルト接合部など、構造体が図面通りに施工されていることを、施工サイドとは独立した立場で確認。構造体だけでなく、意匠のディティールについてもチェックするため、「やり忘れ」「間違い」「勘違い」による質の低下や、人間だから起こりえる「めんどくさいからこうしてしまおう」を防ぎます。その都度進行状況に合わせながら、クライアント・建築家・工務店、3者のコミュニケーションを円滑にし、お互いを尊重し合いながら進められるように、まとめ役を担います。